ワークフローは全体像の把握や関係者の理解、業務の流れの理解に大いに役立ちます。導入研修の際も、業務の大枠をフローチャート図で説明後、詳細な手順書を説明すると理解が深まります。ワークフローについては大きく2つの流れを把握し作成します。
・仕事の全体観・部門間の繋がり(全体像)
・自部門の工程図(各業務別)
また、作業時のポイントとして作業内容と関係者を事前に書き出してから図式化すると良いです。具体的には、「まず思いつく限りの作業内容を書き出す」「次に作業順に整理する」「作業の関係者を書き出す」「ここまで書きだした情報を図で整理する」の順で作成すると良いでしょう。
よくある失敗事例としては、フローの更新作業で失敗するパターンです。
新規作成した後は、時間経過とともにそのフローに対して情報がドンドン付与されていきます。別ドキュメントの何ページを見て判断する、特定のシステムのこの備考をchkなど、条件がドンドン増えていきます。これは正しく判断を行う上では必要なことです。
その中で、一番困るケースが、「この場合は●●へエスカレーションをしてください」という吹き出しが多くなってくることです。
多くの場合は、エスカレーションが必要ということは、一時的に対処が決まっていないということですので、、時間経過とともに対処方法が定まっているケースも少なくありません。
しかしながら、その後の更新作業は、フローの細かい書き換えなど時間もかかるため、そこから手が付けられないというケースが多いです。
更に、利用者全員は今のフローを理解しているため、更新の必要性を感じず、優先度が低くなります。
このようなまま、人員入替が定期的に行われていくと、ドキュメント+口伝で引継ぎがされるようになり、フローはあるのに最新化されておらず、活用しきれないという状況になってしまいます。
このような状況を回避するためにも、定期的に棚卸を行い、フローの更新を行うようにしてください。
[参考資料] COROPS P.118
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日々の振り返りのコツ
振り返りは、ビジネスシーンだけでなく、普段の生活でもよく行われます。 例えば料理をするシチュエーションでは、想像していた味にならず、どこのプロセスがまずかったのか?と考えるシーンはよくあります。 何度かレシピ通りに作っていると、実は簡略化できる工程に気づくことがあります。 ビジネスシーンにおいても同じで、実際に計画に沿ってやってみると、想定以上に工数がかかってしまう、実は重要なプロセスが抜けていたなど、予定外のことがたくさん発生します。 このように実際に物事を進めていると、改善できそうなところに気づくことが多々出てきます。 つまり、より高い成果を生み出していくには、最初に決めた手順でなく、細かく修正をしながら進めることが大切です。 効率的に振り返りをするには、やみくもに振り返りをするのではなく、フレームワークを活用しましょう。 ここでは、YWTを紹介します。YWTは、やったこと(Y)→わかったこと(W)→次にやること(T)、と流れで振り返りを行えることが特徴です。 Y:今日やったことは何か。実績。 W:わかったことは何か。気づき。 T:次にやることは何か。改善点。 しかし、いざやってみると難しいため、それぞれのコツをお伝えします。 ▼Y(やったこと) 上手くいかない事例としては、Yの粒度が荒いケースです。 例えば、今日は提案資料の作成を行ったとします。これを書き起こすと、 △ 提案資料の作成 できた/できていない。順調/遅延。など 〇 提案資料の作成 50%/順調 └ストーリーを作る 完了 └目次を作る 完了 └目次ごとのキーメッセージを作る 未着手 └必要なデータを収集する 未着手 粒度が荒いままだと、何ができたのか?できていないのかが?わかりづらく、次のWも振り返りがやりにくくなってしまいます。 具体的なタスクを洗い出すことで、実際の進捗具合が分かりやすくなります。 ▼W(わかったこと) Y(やったこと)に対して、「うまくいった」「うまくいかなかった」という振り返りだけで止まってしまうケースがあります。 そうではなく、そこから得た気づき、学び、ひらめきを、書き出すようにしましょう。 △ ストーリー作りは順調に進んでいる。しかし目次つくりは想定よりも時間がかかってしまった。 〇 目次つくりは想定よりも時間がかかってしまった。参考になる資料がなくて、自分で考えていたが、アイデアがなかなか出てこなかった。 1人で進めるのではなくて、困ったときは、上司に相談すればよかった。 うまくいった、いかなかった、という状況から、もう1段要因を考えてみるとよいです。 もう1段振り返るときのポイントは、why(どうして?)よりも、what(要因)は何だろう?と考えてみて、 「こうするとうまくいく」、「これをやると失敗する」というところまで掘り下げることがポイントです。 次のT(明日につなげられる改善のアイデア)に繋がっていきます。 ▼T(次にやること) W(わかったこと)から、工夫することを書き出しましょう。こちらも、具体的な内容が書かれないケースがあります。 △ 作業工程を見直す 〇 30分考えてもアイデアが出なかったら上司に相談をする。 このように、具体的に記載することで、次の日から何をすべきかが、ハッキリと見えてきます。 次の日の振り返りでは、このTで書いた上司に相談する、これが効果があったのかどうか、実際に相談しようとしたら、何が起きたのか、という振り返りを行っていきます。 このように、自ら考え、進めながら細かく修正を行うことが大切です。
ナレッジを整理するには?
〈目次〉 ナレッジの整理整頓 フォルダ構成の見直しをする ナレッジがシェアしやすい環境かどうか見直しをする 関連資料 1. ナレッジの整理整頓 業務を進めるために参考となる情報をナレッジといいます。 ナレッジ運用でよくある問題は、蓄積されていくナレッジが定期的に整理整頓されないことです。 蓄積されっぱなしでは、新しい情報と古い情報が混在し、利用者にとって使い勝手が悪く、混乱を招く要因になります。 そのため、定期的に整理整頓を行い、使いやすくするようにすることが大切です。 ナレッジを整理する際は、利用頻度が低い情報は削除またはアーカイブし、 逆に利用頻度が高いナレッジに関しては、よく利用するリンク集としてまとめるなどの工夫をして動線を整理しましょう。 ナレッジを使いやすく・検索性を向上させるためのアクション ①必要性の確認 既存ナレッジを一覧化し、ナレッジの内容と利用頻度を確認します。 利用頻度が低いものは、最新情報を残し、古い情報はアーカイブしましょう。 ②内容を精査・整理 内容を業務ごとに分類し、使い勝手が良いように格納先を整理します。 ③内容の拡充 利用頻度が高いものは、内容を拡充させます。普段からしているフローや手順書にも反映しましょう。 この一連の流れを定期的に行うことで、最新化され、検索性を向上させることができます。 2. フォルダ構成の見直しをする ナレッジの保存環境の見直しも、アクセスの利便性を上げるための重要な見直しの一つです。 どんなに良いナレッジも、必要な時に見つからなければ意味がありません。 以下の例では第1階層(大分類)を案件別として、第2階層(小分類)を工程ごとに区切りっています。 どの案件でも、同様な構成にすることで検索性を高めることができます。 3. ナレッジがシェアしやすい環境かどうか見直しをする ナレッジは、本来の意味や機能を失い、ただ蓄積しているだけの状態になってしまうことがあります。 こういったナレッジの形骸化については、環境面を定期的に見直すことでも防止できます。 活動を振り返りナレッジをシェアし続けるための環境面についても、定期的に見直しを行いましょう。 ナレッジをシェア・活用するには、「場」の創出が大事といわれています。 これまでの活動を振り返りどのような「場」でナレッジの共有が盛んだったかを考え、より有効な「場」が創れないか見直します。 「場」には具体的に以下のような例があります。 ① コミュニケーションコーナーの設置 (お菓子コーナー、ソファースペース、運動スペースなど) 業務時間や休憩時間での、何気ない人の出会いと知識の交流を生む「場」。 ② フリーアドレススペースの設置 「タコツボ化」を防ぎ、毎日異なる人との知識交流が生まれる「場」。 ③ 勉強会・事例発表会の実施 個人の知識やノウハウを、組織に還元する「場」。 ④ 社内SNS/グループチャット 個人の知識やノウハウを、インターネット(イントラネット)を使って共有するための「場」。 ⑤ 読書会/輪読会の実施 課題図書を決め、学びや意見を交換する「場」。 新たなナレッジのインプットのきっかけにもなり、個人と組織の成長を促す。 ⑥ 社内報を活用したナレッジ共有 最近では、たとえば従来の社員食堂をオシャレな空間にデザインしなおすことで、 社員が自発的に集まりやすくし、情報交換をしやすくしている企業も出てきています。 既存の空間や仕組みも、設計次第でナレッジ交流が行われる「場」に変えることは十分可能です。 4. 関連資料 ▶▶【🎥動画】学びをシェアする文化をいかにつくるか はこちら

計画修正時の調整方法
業務一覧(WBS)を作成し、想定していなかった作業が必要である事や、想定している予算感やスケジュール感では対応できない事などを気づける状態を保つことが良いでしょう。その中から許容範囲と許容できないレベルの確認を随時行ってください。 具体的に認識を合わせること ・Q:想定品質と測定方法 ・C:予算と想定費用 ・D:期限やスケジュールの想定 ・S:想定作業量 なお、期待値の調整は重要ですが、ついついリスクの説明ばかりをしがちです。 そうなった場合、意図せず顧客や関係者の信頼を損ねることがあります。そらないように以下の点に注意すると良いでしょう。 ・全力で元の計画通りゴールや成果に近づけたいということを伝えながらもリスクを伝え、相手もリスクを認識してからトレードオフ案を出す。 ・いきなり100%のトレードオフ案ではなく、10%、20%、30%と小刻みにしたものを伝え、まずは最小対応として10%から承認を取る。※1 また、期待値の調整(特にトレードオフ案の提示)の場合、相手が関心あるのは圧倒的に「これからどうなるか?」という未来の話です。 なのに多くの人が「なぜ計画が乖離したか?」「現状がどうなっているか?」を説明することに必死になりがちです。 たしかに正しく現状と発生している問題を認識することは的確な修正計画を策定する上で重要ですが、 顧客や関係者にとって重要なのはその修正計画とそれによる影響です。 期待値調整に失敗する人のほとんどは、この勘違いをしているパターンが多いです。 特に自身で判断をする決裁者でそのレベルが上がれば上がるほどにより未来の話への関心が高まります。 相手の立場、役職に応じて経緯、原因、修正計画、影響のどこに比重を置いて会話するかを見極め、使い分けましょう。※2 ※1:人はいきなり大きな影響やリスクのあることを決断できません。 ただ、一度決断するとその後、そのレベルが上がっても同様の決断をしやすくなります。 考えたトレードオフ案のリスクや影響があまりに大きい場合は、全体を見せた上でより小さな範囲から承認をもらうように交渉すると スムーズに進む場合があります。 また、自分たちが考えたトレードオフ案も実際は正しいかどうか、どれほど効果があるか分からない、 という場合も小さな範囲で進めることでその後の更なる計画修正も容易になります。 ※2:決裁者のレベルが上がるにつれて経緯>原因>修正計画>影響と関心が移っていきます。
チームの稼働を可視化、管理したい
業務の稼働を可視化する際は、最初から一つ一つの細かな作業/手順に対して何時間かかるのか?を算出してはいけません。 まずは、全員の稼働状況を参照して、全体観を掴みましょう。 内訳は、以下を参考にして、割合を算出します。 ・業務に関すること(業務の遂行、オペレーション等) ・業務の改善活動に関すること(提案に関する時間、業務の改善に関する時間等) ・業務を管理すること(チームの状況把握、数値管理、MTG等) 業務の稼働を可視化する目的は様々ですが、この割合をまずは把握することで傾向が見えます。 例えば、チーム立ち上げ当初であれば、業務に全てのリソースを集中させていることが多く、業務に関することに比率が偏ります。 その後は、例えば業務を標準化させていくために可視化する、そのための改善時間を確保していく事が必要になります。 比率の目安は、別のコンテンツ「体制に必要な人数算出方法」にも記載していますが、全体の15%が改善に使えることが理想です。 まず稼働管理の第一歩は、このような大枠で整理をすることから始めてください。