業務標準化を進めるために最初にやること
標準化を進めていくために、何から手を付けるべきかですが、いきなりマニュアルを作成し始めてはいけません。一番最初に取り組むべきことは、業務一覧を作ることです。 チームで対応すべき業務を一覧化し、その中で、優先度が高いモノから着手し始めましょう。 業務一覧から取り掛かる理由ですが、3,4名のチームであれば、全員が全体を俯瞰的に見えているため、何が一番優先度が高いのか、共通認識を持てていることが多いです。 例えば6名のチームで2人1組で3つの業務を担当して進めている場合、何から着手すべきかは、全体を俯瞰するために情報整理を行わないと正しい判断が出来ません。そのために、業務一覧をまずは作成する所から始めます。そして業務一覧に沿って、マニュアル、手順書、フロー、FAQなどがあるかどうかをチェックし、何から着手するか優先度を定めていきます。
[参考資料] COROPS P.129
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自分の意見を上手く伝える ~言語化能力 向上講座~
みなさんは、「自分の意見を上手く言葉にできず説明できない・・・」と困ったことはありますか? 言語化が得意な人が普段、どんなことを無意識にやっているか気になりますよね・・・? この記事では、周りのメンバーから見ても、言語化能力が優れている ”てぃーさん” から、 「言語化能力を向上させる工夫」について聞いてみました。 言語化能力は、少しの工夫で向上させることができます。 対話形式でご紹介しますので、ぜひご覧ください。 〈目次〉 登場人物紹介 言語化能力とは? 言語化能力の要素 言語化能力の高め方 関連資料 1. 登場人物紹介 ノリと勢いではなく正しく相手に伝える手段を模索中の関西人。 MBTIは、INFJ(提唱者) 話すことと食べることが好きな人。 MBTIは、INTJ(建築家)か ISTP(巨匠) 2. 言語化能力とは? マッキーさん 私、人に話するの得意な方だと思ってたんですが、周囲に言語化能力の高い方が多くて 「まだまだだなあ」「上には上がいる」と思って驚きました。 特にてぃーさん、めちゃくちゃ話上手ですよね。今日はコツをお伺いしたく…! てぃーさん ありがとうございます!でも、自分としては言語化能力が高いとは思ったことがなかったです。 家族にも「語彙力ないね」って言われるし…。ちなみにマッキーさんが思う、言語化能力が高い人ってどんな人ですか? マッキーさん 私が思う言語化能力が高い人の特徴ってこんな感じかなと思っているんですが… 理路整然と説明ができる人 表現力が豊かで話が分かりやすい人 相手に想像させる言葉の選び方ができる人 てぃーさん なるほど!そういう人いますよね。 相手に伝わるように上手に話ができるって、4つの要素が必要だと思うんですよね。 まとめると下の図の内容になるんですけど、観察力・思考力・語彙力・要約力 が大切だと考えています。 マッキーさん へえー!4つの要素があるんですね!教えてほしいです。 3. 言語化能力の要素 てぃーさん はい! まずは観察力。相手に伝えるためには、相手がどこが分からなくて困っているか 反応や表情の変化を汲み取って工夫する必要がありますよね。 そのため、相手のことを見る力が高いと言語化能力の高さに繋がると思います。 2つ目に思考力。さきほどマッキーさんがおっしゃっていた通り、理路整然と話すとなると話を論理的に考え、組み立てる力が必要ですよね。 ただ論理的に考えるだけでなく、なぜ?をしっかり掘り下げて考えることも大切です。 3つ目に語彙力。相手に伝わる適切な言葉・表現を選ぶ力です。もちろん語彙の豊富さも大切ですが、私は選べる力も大切だと思っています。 最後に要約力。せっかく相手に伝わるように考えても、それを上手く伝えられないと意味がないですよね。 相手に伝わるよう情報の取捨選択をして、まとめる力も必要だと思います。 マッキーさん 確かに!どれか一つでも欠けていたり中途半端だったら伝わり度合いが半減しそうですもんね。 こんなことありますよね。 ■ よくある事例 思考力、要約力の不足 順序立てて説明ができないため、話が散らかってしまい何が言いたいのか分からない。 観察力、語彙力の不足相手が全く分からない業界のことを、業界用語をたくさん使って説明してしまう。 てぃーさん そうですね。もちろん4つすべて揃っている必要がありますが、それぞれに繋がりがありますよね。 今ふと思ったんですけど、特に大切なものが状況によって違うかもしれないですね。 時間をかけて準備できるものだったら、思考力と要約力が大切だと思うし、 その場でパッと説明するものだったら、観察力と語彙力がカギになりそうです。 マッキーさん なるほど。それぞれの4つ要素で分けて考えると、てぃーさんは自分自身で何をやっているとどう分析しますか? てぃーさん そうですね…。 観察力については、私は好奇心が強いんですよね。この人今まで会った○○さんに似てるなとか思ったりします。 あの人に似ているなら、こういう説明の方が伝わりやすいかなという判断に繋がっているかもしれないですね。 次に思考力については考えるのが私は好きなんですよね。 納得しないと次に進めない性格なので、「なぜモヤモヤしているか」、「どうすればモヤモヤしなかったか?」とかを考えます。 自分以外のことでも、「あの人はこうなのかな?」仮説を立てて考えることが多いかもしれないですね。 次に語彙力ですよね…。私はあまり語彙力には自信がなくて…。でも言葉の意味はよく調べますね。 今は仕事をしていて知らないカタカナ用語に出会うことがあるし、 自分が言いたいことが一言で表せる言葉がないかとか悩むことがあるので ネットとかAIで調べるようにしています。そうすることで適切な言葉、表現の知識を増やそうと心がけています。 最後が要約力。これは前職の上司が”報連相”に厳しい方だったため、報告・連絡・相談どれをする時でも、 相手が分かりやすいようサマリへ要約することを癖づけていたので、鍛えられました。 マッキーさん めちゃめちゃ分析されてます…!てぃーさんさすが…! てぃーさん 今回のこのインタビューに向けてめっちゃ考えましたよ…!大変でした…笑 マッキーさん ありがとうございます…! 4. 言語化能力の高め方 マッキーさん では、最後に言語化能力向上のために何から始めればいいと思いますか?できるだけ簡単なやつをお願いします…! てぃーさん 自分がどの要素が弱いのか、1つずつ掘り下げて考えていくことで、言語化能力を高められるのではないかと思います。 それぞれ以下のようなことはいかがでしょう。 マッキーさん 分かりやすいです!これなら意識できそうですね。 てぃーさん ありがとうございます!ただ、すべてをいきなり行うことは難しいと思うので、特に苦手な要素から1つずつ取り組んでみてください。 マッキーさん ありがとうございました! 5. 関連資料 魅せて 伝える 資料作成講座 ▶▶第1回 きれいな資料を作るべき理由 はこちら 資料を作る目的は、多くの場合、相手に理解してもらい、行動を促すことです。 どのようなことに気を付ければ伝わる資料が作れるようになるのかご紹介します。 ▶▶第2回 資料を作る前にやるべきこと はこちら 資料作成をする前に必ずすべきことや、伝えたいことを簡潔に伝えるための構造化の方法をご紹介しています。 ▶▶第3回 魅せるコツ はこちら 資料を魅力的で効果的に伝えるためには、視覚的な工夫が欠かせません。 特に情報を視覚的にわかりやすくするための図解や、テキストに強調をつけるテクニックは、 プレゼンテーションの成功に大きく影響します。
会議の生産性を高めるには
〈目次〉 有意義な会議を行うために 会議前に確認するべき点 会議アジェンダの例 関連資料 1. 有意義な会議を行うために 会議は、コミュニケーションの仕組み化・情報共有・意思決定・課題解決・チームの連携強化のために実施しましょう。 全員の意見を集め、目標に向けた具体的な行動を決める場として活用します。 決めるべきことを決定し、無駄のない会議にするためには、内容に合わせて適切な頻度を検討することが必要です。 変動性が高い業務内容であれば、頻度を高くして認識を合わせる必要があります。 一般的な会議の例、頻度については以下を参考にしてください。 会議名 内容 キックオフ 特定のテーマに対して参集された関係者が初回の認識合わせを行う会 日次定例会 前日、当日、翌日の業務状況/予定および課題共有の実施のため、チーム全体や、 一部のメンバー間にて少なくとも日に1回は開催する会議。実施形態としては、朝会、夕会などが多く見られる 週次定例会 関係者、チームから代表が参加し、週次の業務状況報告、および課題の共有などについて 目線合わせ、意見交換を行う 月次定例会 関係者、チームから代表が参加し、月次の業務状況報告、および課題の共有と次月の方針/目標/活動内容などについて 目線合わせ、意見交換を行う 四半期 半期の定例会 四半期もしくは半期に1度、チームの目標、アクションプランの進捗状況や実績、および課題/施策などの報告、 関係者との意見のすり合わせ、今後のニーズすり合わせなどを行う 2. 会議前に確認するべき点 会議自体の生産性を上げるには、事前の準備をいかに進められるかが重要です。 例えば、会議で議論すべきことを事前に整理しアジェンダを関係者に展開しておくとミーティングは効率的に進みます。 また、以下表の確認点を見直すことで、生産性を高めることもできます。 確認点 確認内容・理由 出席メンバー間で 会議の目的とゴールを共有できているか 会議の目的やゴールのイメージが参加者内でズレてしまっていると、 会議がうまく進まなくなることが多いです。 できる限り、会議の目的やゴールは事前に認識をすり合わせるようにしましょう。 アジェンダは提出済みか アジェンダは会議前に提出しましょう。 アジェンダの時間設定は、普段から相手の反応や言動を観察し、 どのアジェンダで意見交換の時間を多めに取るかなど、 時間配分を考慮できているとより良いです。 全員出席が必要か 全員で意見交換する場は必要ですが、 すべての会議で全メンバーを出席することにした場合、その分工数確保が必要になります。 会議の出席者は、関係者図を参考にして、目的と内容に合わせて決定するようにしましょう。 また、大きな意思決定を行う会議の場合は、決裁者や自チームの管理者も出席できるように調整します。 メールや電話、チャットでは 代替えできない内容か 情報共有のみが目的の会議であれば、あえて参加者の時間を取らず チャットやメールで共有で終わる可能性もあります。 適宜、会議を行う必要があるかどうかも検討しましょう。 3. 会議のアジェンダ例 会議の生産性を高めるために、当日のアジェンダ(議題とタイムライン)を共有しておくと会話がスムーズに進みます。また議事内容はメモ書き程度でも残しておくと、欠席者への情報共有ができ、次回会議の進め方に活かすことができます。 アジェンダの例は以下の表を参考にしてください。 No アジェンダ 概要 時間 発表者 備考 1 目標進捗 KPI達成状況と今後のアクション確認 10分 リーダー 2 課題確認 課題管理表に記載の課題とアクションの確認 20分 全員 3 共有、相談事項 気になっていること、困っていることの共有と相談 10分 全員 4 ナレッジ・スキルシェア 今週の気づき、有効な対応の共有 10分 Aさん 毎週持ち回り 5 周知・共有事項 顧客とのミーティング、上位組織の会議体からの フィードバック事項 10分 リーダー 合計時間 60分 4. 関連資料 ▶▶【📝記事】コミュニケーションの仕組み化 はこちら ▶▶【🎥動画】らくらく議事録フォーマット はこちら ▶▶【🎥動画】ファシリテーション~苦手克服までの体験記 はこちら
目標を達成するためにコントロールするべきQCDSとは?
〈目次〉 QCDSとは QCDSの設定 QCDSの調整 関連資料 1. QCDSとは QCDSとは、目標を実現する上での前提条件のような性質を持つものであり、 目標を達成するためにチームでコントロールすべき重要な指標です。 ここでは、QCDSの整理の順番、優先順位のつけ方などQCDSの基礎を説明します。QCDSは、目標を達成する為にチームでコントロールすべき主要指標の頭文字を取った略語です。 関係者との共通認識は取るためには、QCDSの観点を踏まえ、高い解像度の目標地点を定めて具体的な計画を作成していきましょう。 ┃ Q Quality 品質基準 Qはクオリティー、品質の基準のことです。 品質基準の設定には二つパターンがあります。 パターン① 目標とは別の品質的な付帯要件がある場合は、それを設定するパターンです。 例: 業務の処理件数が月に1000件目標で、品質基準が処理の不備率は5%以下に抑えることという場合、 「不備率5% 未満」というのが、仕事の質に対する付帯要件です。 不備率が多いことは仕事の質が低いことになるので、あらかじめ要件として設定されていることがあります。 Point 質に対する期待は、顧客の頭の中には当然のこととして存在し、あえて言葉で伝えられない場合もあります。 そのため「何かしらの条件はありますか?」とこちらから 確認するようにしましょう。 パターン② 目標や、KPIをそのままQ(クオリティー)として設定するパターンです。 特に、質に対しての追加要件が無い場合は、目標やKPIをそのまま「Q」として設定しても構いません。 ┃ C Cost 予算/コスト Cはコスト、予算のことです。 予算は絶対に変えられない場合もあれば、状況によって変更が認められる場合もあります。 チームの取り巻く環境において、どの程度変更の余地があるのかを確認しておきましょう。 Point また自チームが活動する工数も、人件費というコストであり、管理されなければいけないものです。 納期が遅れる場合は、その分の人件費がかかることが多いです。 自チームが主導となって、コストをコントロールできるかどうかは別としても、工数はコストである、という認識をもつことが大切です。 ┃ D Delivery 期日/納期 Dはデリバリー、期日、納期のことです。 納期は以下二つのパターンがあります。 パターン① サイトリニューアルのような、いつまでに完了するか全体のスケジュール期日 パターン② 「PC交換対応」のような、何年かに一回定期的に繰り返し対応が必要な時の 1回1回の完了締め切り ┃ S Scope 業務範囲 Sはスコープ、業務範囲のことです。 業務の対象範囲については、コストや納期に比べて曖昧になることが多いですが、曖昧であるがゆえに、 あとから想定外に工数が増えるといったこともあるので、しっかり確認する必要があります。 例① サイトリニューアルの場合は、追加機能の範囲などがスコープにあたります。 例② 「PCの交換対応」のような業務の場合は、「交換対象は3年以上利用が条件」といった、条件がスコープにあたります。 Point 特に例②のような、長年継続している業務の場合は、少しずつ範囲が広がっていき、 知らないうちに工数が膨れ上がっているということもあります。 その場合は、業務はどこまでを対象とするか、改めて明確にすることが大切です。 チームの業務範囲(やるべきこと)を洗い出すためには「業務一覧」や「WBS」を活用しましょう。 2. QCDSの設定 全てのQCDS条件が関係者側であらかじめ決まっている場合は、その条件を漏れなく確認するようにしましょう。 しかし多くのケースでは、一部の条件しか決まっていません。 「例えば納期、予算は明確だが、品質、範囲は不明」といった一部条件は決まっているが、その他の条件は流動的で決まっていないことも多くあります。 その場合は、自分たちで変更可能な条件下で実現可能なプランを検討し、提案をしていきましょう。 もしすべての条件を自チーム主導で決めていけるのであれば、以下の順番でQCDSを設定します。 実施順 項目 内容 1 Quality 目標を仮決めする 2 Scope やるべきことに対する想定作業量を見積もる 3 Delivery 想定スケジュールに落とし込む 4 Cost 概算工数、想定人員数、ファシリティ費用などを見積もる 5 Quality 目標、KPIを満たすために十分であるかを確認する 3.QCDSの調整 Q、C、D、Sは、互いにトレードオフの関係にあります。 ・品質を高めようと思えば、コストが上がる ・コストを下げるためには、品質を低くするか、範囲を狭める ・今のままだと品質目標基準に到達できないが、納期を遅らせることで到達可能となる などです。 全ての要件が達成できればそれに越したことはありませんが、現実的には想定通りに物事が進まず、 QCDSいずれかの条件が満たせなくなる場合も多くあります。 そのような場合に備え、何が優先されるかをあらかじめ確認していくことが重要になります。 優先順位は、組織や状況によって異なります。 予算は絶対に変更できない、という場合もあれば、株式上場や企業合併など、 対外的にも重要なイベントに関係する場合は納期が絶対となります。 この優先順位はその時の責任者の意向によって異なることもありますので、顧客のニーズや意向を踏まえて必ず事前に確認しておきましょう。 トレードオフスライダー 関係者間で、何を優先させるのかを定めておきます。 チームで業務を遂行する際の重要項目に優先順位をつけ、何を守り、何を捨てるかを、見える化したものです。 あらかじめ、どれを最優先とするのか、すり合わせをしておきましょう 4. 関連資料 ▶▶【🎥動画】目標設定を「苦手なもの」から「働きやすくする手段」に変える方法はこちら ▶▶【📝記事】目標設定を設定するコツ はこちら ▶▶【📝記事】計画の見直しをするには? はこちら
業務一覧の作り方を知りたい
業務一覧作成のポイントは、プロジェクト開始時にまず作成すること,軸の取り方に迷ったら、 まず思い出せる限り書き出すこと,社内関係者のレビューでブラッシュアップすることです。 以下進め方を参照ください。 ①類似業務の情報や経験者からヒアリングを行い、必要な作業をすべてリストアップする ②作業の性質や関連性を考慮してグループ化する例)定常/非定常、設計/構築、担当別 など ③業務を作業単位に詳細化する ④納期や頻度を記載する ⑤想定工数を算出する ⑥品質基準を満たす為に、抜け漏れや無理が無いかを確認する。