業務標準化を進めるために最初にやること
標準化を進めていくために、何から手を付けるべきかですが、いきなりマニュアルを作成し始めてはいけません。一番最初に取り組むべきことは、業務一覧を作ることです。 チームで対応すべき業務を一覧化し、その中で、優先度が高いモノから着手し始めましょう。 業務一覧から取り掛かる理由ですが、3,4名のチームであれば、全員が全体を俯瞰的に見えているため、何が一番優先度が高いのか、共通認識を持てていることが多いです。 例えば6名のチームで2人1組で3つの業務を担当して進めている場合、何から着手すべきかは、全体を俯瞰するために情報整理を行わないと正しい判断が出来ません。そのために、業務一覧をまずは作成する所から始めます。そして業務一覧に沿って、マニュアル、手順書、フロー、FAQなどがあるかどうかをチェックし、何から着手するか優先度を定めていきます。
[参考資料] COROPS P.129
おすすめ記事
魅せて 伝える 資料作成講座 ~第2回 資料を作る前にやるべきこと~
資料作成において、資料の内容やデザインはもちろん重要ですが、実は資料を作り始める前に行うべき準備も大切です。しっかりとした準備をすることで、資料作成がスムーズに進み、より効果的なプレゼンテーションが可能になります。今回の講座では、資料作成前に行うべき準備について解説していきます。 〈目次〉 資料を使うシーンを想像する 伝えたい内容を構造化する 準備ができたら魅せて伝えよう 資料を使うシーンを想像する 資料を使うシーンを明確にすることで、資料のテイストや言葉の表現を考えやすくなります。 〈資料を使うシーンを具体的に想像するための観点〉 資料を使うシーンをイメージできていないと、以下のようなリスクが発生します。 〈資料を使うシーンを想像できていない場合のリスク〉 このようなリスクが発生すると、相手に伝えたいことが伝わらず、プレゼンをしても想定する効果を生み出すことはできません。このようなことが起きないように、資料を作る前に事前に確認することを怠らないようにしましょう。 伝えたい内容を構造化する 伝えたいことを資料にすべて書いてしまうと文字だらけになり、逆に伝わりにくくなってしまいます。端的な文章を作成するためには以下の方法で文章を構造化してみましょう。 元の文章 当社の新しいビジネスポリシーは、従業員の働きやすさを第一に考えた職場環境の提供です。 このポリシーにより、社員の満足度が大幅に向上し、企業全体の生産性も飛躍的に向上しました。 具体的には、リモートワークの導入により、仕事と生活のバランスを取りやすくなり、 多くの社員が家庭と両立しながら業務を行うことができています。 従業員支援プログラムも充実させ、専門的なサポートやスキルアップの機会を提供しています。 STEP1:箇条書きに分解して重要事項を抽出する 新しいビジネスポリシーは従業員の働きやすさを第一に考えた職場環境の提供 社員満足度と企業全体の生産性も向上した リモートワークの導入により仕事と生活のバランスがとれるようになった 従業員支援プログラムの充実により専門的サポートとスキルアップの機会を提供できるようになった STEP2:短い言葉へ言い換えてみる 新しいビジネスポリシー:社員の働きやすさを第一に考えた職場環境の提供 社員満足度向上・企業全体の生産性向上 リモートワークの導入でワークライフバランスが充実 従業員支援プログラムを拡充し専門的サポートとスキルアップの仕組み化 Point 体言止めにすると文字数も省略でき、より簡潔に言い切ることができます STEP2の例 その他の例 その他の例 「仕事と生活のバランスがとれるようになった 」↓「ワークライフバランスが充実 」 「新人育成の仕組みを作りました」↓「新人育成の仕組みを構築」「新人育成を仕組み化」 「デジタル化施策は生産性向上へ繋がりました」↓「デジタル化施策は生産性向上へ寄与」 Point 「○○ 言い換え」などで検索して調べたり、AIを活用すると◎ STEP3:各要点を構造化する 【新ビジネスポリシ=社員の働きやすさを第一に考えた職場環境の提供 】 ---------------------------------------------------------------------- 取り組み①:リモートワーク導入 結果 :ワークライフバランスが充実 取り組み②:従業員支援プログラム拡充 結果 :専門的サポートとスキルアップの仕組み化 ---------------------------------------------------------------------- ↓ 全体効果:社員満足度向上・企業全体の生産性向上 Point 構造化したときに、一番伝えたいメッセージは何なのかを明確にしましょう 【新ビジネスポリシ=社員の働きやすさを第一に考えた職場環境の提供 】 ← 一番言いたい ---------------------------------------------------------------------- 取り組み①:リモートワーク導入 結果 :ワークライフバランスが充実 取り組み②:従業員支援プログラム拡充 結果 :専門的サポートとスキルアップの仕組み化 ---------------------------------------------------------------------- ↓ 全体効果:社員満足度向上・企業全体の生産性向上 ← 一番言いたい Point ここまでできたら、上長へ確認してもらうと◎ 資料を作りこむ前に確認することで、手戻りが防げます STEP4:スライドに落とし込むときのレイアウトをイメージする Point 1スライド1メッセージで伝えたいことを目立たせよう 各スライドで一番言いたいことをスライド上部に書くことで、このスライドでの内容がスッと入ってきます。 また、後の説明も理解しやすくなります。 Point 長くて2行までにする Point メッセージはスライドの中で一番大きいフォントサイズにして目立たせる(18~20ptがおすすめ!) 準備ができたら魅せて伝えよう 以上が、資料作成前にやるべき重要な準備についての解説でした。これらの準備をしっかりと行うことで、資料作成のプロセスが効率的に進み、より魅力的で伝わりやすい資料を作成することができます。次回の講座では、「魅せて 伝える 資料作成講座~第3回 効果的なデザインの秘訣~」をお届けしますので、お楽しみに! ▶▶第1回 きれいな資料を作るべき理由 はこちら 資料を作る目的は、多くの場合、相手に理解してもらい、行動を促すことです。しかし、情報が過多であったり、伝えたいポイントが散乱している資料だと相手の理解を得ることは難しいです。ではどのようなことに気を付ければ伝わる資料が作れるようになるのでしょうか? ▶▶第3回 魅せるコツ はこちら 資料を魅力的で効果的に伝えるためには、視覚的な工夫が欠かせません。特に情報を視覚的にわかりやすくするための図解や、テキストに強調をつけるテクニックは、プレゼンテーションの成功に大きく影響します。
業務プロセスを可視化する
〈目次〉 プロセスとは 可視化を助けるドキュメント ドキュメントのアップデート 関連資料 1. プロセスとは プロセスとは、業務のやり方や成果を創出するための工程のことです。 デスクワーク中心の仕事の現場では、「業務のやり方」が属人化していることが多くあります。 属人化とは、仕事の内容がチームのとある人の頭の中だけにあり、必要に応じて口頭でのみ伝える というような状態です。 このような場合では、業務は何とか進めることができていても、いくつかの問題が発生してしまいます。 プロセスが整理されていない(もしくは属人化している)場合の問題点 新しくチームメンバーが加入した時、その人が業務を理解し習得するのに時間がかかったり、担当者が急にいなくなってしまった際に、やり方が分からず大きな支障がでてしまったりします。 ある特定の人しかできない仕事は、その人がやることが当たり前の仕事になってしまい、 特定の人が休めずストレスを蓄積してしまうケースがあります。 現在のやり方の問題点が分からないため、チーム全体となって改善を進めることが難しくなります。 これらの問題が発生しないように、業務のやり方(プロセス)を標準化し、チームが共通認識を持って仕事を進められるようにしましょう。 2. 可視化を助けるドキュメント プロセスを可視化するために必要なドキュメントは複数ありますが、まずは業務一覧と課題管理表を作成しましょう。 その後に完成した業務一覧を参考にマニュアル・フロー・チェックリストなどがあるかどうかをチェックし、 何から着手するか優先度を定めていきます。 チーム発足時に業務一覧を作成するとき、何を軸にして一覧化するかを迷った場合は、 一度思い出せる限り書き出し、社内関係者のレビューでブラッシュアップしましょう。 以下進め方を参照ください。 業務一覧作成のステップ 類似業務の情報を経験者からヒアリングを行い、必要な作業をすべてリストアップする 作業の性質や関連性を考慮して項目をグループ化する 例)定常/非定常、設計/構築、担当別 など 業務を作業単位に詳細化する 納期や頻度を記載する 想定工数を算出する 品質基準を満たすために、タスクとして抜け漏れや無理が無いかを確認する 3. ドキュメントのアップデート ドキュメントアップデートにおける二つのポイント Point① プロジェクトの進捗に合わせて、ドキュメントをアップデートする チーム発足時は、まだ情報が確定していないことも多く仮説を元にして作成されているケースが多いです。 関係者とWBSなどが当初に合意できている場合でも、プロジェクトが進むにつれて、設計した工程に過不足が見えてきます。 やってみて分かったことを都度アップデートしない場合、 当初のやるべき範囲・稼働予測と実績の間に大きな差が出てしまいます。 それを防ぐために、実際に推進している人にしか分からない情報を、関係者と情報共有しながらアップデートしていきましょう。 Point② 情報が古くならないように、定期的にアップデートを行う 業務プロセスを可視化したドキュメントについて、最新の状態に更新していない場合は役に立ちません。 場合によっては認識の齟齬を発生させてしまいます。 業務プロセスが変更となった場合や課題を解決した場合は、必ず関連ドキュメントを更新しましょう。 業務の標準化は、ドキュメントの更新を通じて業務のアップデート情報をチーム内の特定の人に閉じず、関連する全員が分かるようにする必要があります。 定期的に得られた知見や変化した情報をまとめて振り返り、ドキュメントへ更新する機会を設けることが大切です。 情報のアップデートは、量が多い場合、更新が間に合わない場合もあるかと思います。 アップデートの優先順位は、業務一覧を元に確認します。 業務一覧は全体を俯瞰してみれるので、アップデートを忘れているドキュメントに気づけることも多いです。 期の変わり目などに、改めてドキュメントを見直しする際は、 重要度と緊急度で優先順位を決めて、次の3か月や半年の間に取り組むべきことを決めていくと良いです。 4. 関連資料 ▶▶【📅資料】業務一覧WBS.xlsx はこちら ▶▶【📅資料】業務フロー.pptx はこちら ▶▶【📅資料】週次タスク管理表.xlsx はこちら ▶▶【📅資料】進捗管理表.xlsx はこちら
業務習熟度を可視化したい
業務習熟度を可視化する場合は、まずは業務一覧をベースにして作成を行います。 ※管理者としてのスキルマップの場合は、業務だけに特化させず、ビジネススキルに特化させた一覧を作ります。 更に、業務一覧の1つ1つの業務/タスクに対して、出来る/出来ないだけで判断基準を作るのではなく、段階的に基準を設けましょう。 段階的な務習熟度基準の一例 1 対応の際、都度エスカレーションが必要 2 自分自身で対応できる 3 基準1,2について、周囲へ対応方法を教えることができる 更に、その業務/タスクを実行するための必要なスキル/知識を洗い出して一覧化することで、何が足りないから次の基準へステップアップできないかを把握することが出来ます。
ナレッジの蓄積方法
ナレッジの蓄積は、以下の手順で行うと効果的です。 1.日々の経験や気付きを記録する まずは個人単位で業務遂行を通じて得た経験を、何らかの形で溜めていきます。 日々の業務の中で、「うまくいった、失敗した、ひやっとした、問題だと感じた、分からなかった」などの感想が大半になりますが、 メモでも構いませんのでとにかくしっかりと、残しておきましょう。 これをできていないと、一定期間のタイミングで振り返りを行う際に、まず思い出すことから始めないといけなくなります。 かなり非効率になってしまいますので、ぜひ経験や気づきを記録することを日々の習慣にするようにしてください。 2.振り返る 次に、蓄積した内容を振り返り、整理します。ナレッジ化にはこの工程がとても大切です。 なぜそうなったのかを分析し、こうすればうまくいく、こうすると失敗する、という命題形式の教訓に変換をしていきましょう。 3.チームで共有し、確認する 一定期間溜めた内容をチームで共有し、チームとして有用なものをチームのナレッジとして管理していきます。 これによって個人の気付きだけでなく、チームとしての学びにすることができます。 これらの活動は時間を取ることはとても難しいですが、サイクルが回り出すとチームに余裕が生まれ、仕事が格段にやりやすくなります。 4.関連ドキュメントに反映する 最後に、それらのナレッジをいつでも当たり前に利用できるものとして残します。 ステークホルダーに関することなら、ステークホルダー一覧にといった具合に本書で紹介されているドキュメントの中で関連するものを更新します。 繰り返し実行する作業に関する内容は、業務フロー図や手順書をアップデートすることで教訓を活かし、大きく生産性を上げることができます。 ナレッジは、活用されてこそ価値が高まります。ただし、何もフィードバックがないとそのナレッジの有用性や再現性を評価することができません。ナレッジを活用したら、「ここがうまくいった」「ここがうまくいかなかった」「このようなケースではうまくいく」など、 チームミーティングやナレッジ共有会などの場で、またはナレッジを共有するツールのチャット欄などで、書き込みによりフィードバックをするようにしましょう。 理想的なナレッジ管理の手順を記載しましたが、始めのうちは、まずはメモを残す、共有するだけでも良いです。 それだけでも後から同様の業務をする人にとっては大きな助けとなります。 最低限メモを残し、活用しながらブラッシュアップしてより活用しやすいナレッジにすれば良いのです。