業務の要件定義を行いたい
業務の要件定義は、プロジェクトの目標とスコープを明確にし顧客と認識を合わせるために重要なものです。 業務を行う背景や目的を顧客と意見交換しながら整理し、理解したうえで目的からゴールまでの全体感を踏まえた目線で作成を進めてください。
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QCDSの整理の順番、優先順位のつけ方
QCDSは、全ての条件を自チーム主導で決めていけるのであれば、以下の順番で設定します。 1. Quality まずは計画の仮決めから。何をどの程度実現したいかを仮設定します。 2.Scope チームの業務範囲と対象を洗い出します。対象については1で定めた目標の対象が何か?を考えましょう。 3. Delivery 業務の洗い出しとほぼ同時に、その実行スケジュールを決めます。全体でいつまでに業務が完了するかを見積もりましょう。 4.Cost それらの業務を実行するために必要なコスト(例えば備品の購入や交通費など)、そして業務にかかる時間を洗い出します。 特に、時間の精査が大切で、想定されている体制で実現可能かどうかの目途を立てることにも繋がります。 5. Quality 最後に、洗い出して、見積もった工数・スケジュールで、目標や付帯要件を実現可能か検証します。あとは、この繰り返しです。 次に必要なことは、QCDSの優先順位をすり合わせることです。 目標の提案と同様にQCDSも関係者とすり合わせをし、その中で確認していきましょう。 この際、大切なポイントは、優先度が高いもの(譲れないもの)だけでなく、優先度が低い(譲って良いもの)も確認することです。 譲れないものは明確にできないが、譲って良いものは分かっている、などという場合も多くあります。 関係者の中で優先順位が明確になっていない場合は、 この場合はどうか?こうなった場合は?と仮説のシナリオを提示しながら確認することで、優先順位が明らかになることもあります。 それでも明らかにならない場合は、実行中の定期的な進捗と予測のレポートを通じて、認識を合わせていくようにします。
目標設定方法
目標設定は、関係者のニーズを満たすように設定しましょう。そのためにはニーズそのものだけではなく、その背景も理解することが必要です。関係者の置かれている状況を“自分ごと化”して捉えることが大切です。 次に具体的な数値を用いた目標地点と計画を定めましょう。これが定められていないと、実行時の進捗確認や要因分析を行う事が出来なくなるためです。 「SMART」というフレームワークがあります。これを活用すると目標設定内容を明確にすることができますので、ぜひ活用ください。 1:Specific(具体的に) 誰が読んでもわかる、明確で具体的な表現や言葉で書き表す 2:Measurable(測定可能な) 目標の達成度合いが本人にも上司にも判断できるよう、その内容を定量化して表す 3:Achievable(達成可能な) 希望や願望ではなく、その目標が達成可能な現実的内容かどうかを確認する 4:Related(経営目標に関連した) 設定した目標が職務記述書に基づくものであるかどうか。 と同時に自分が属する部署の目標、さらには会社の目標に関連する内容になっているかどうかを確認する 5:Time-bound(時間制約がある) いつまでに目標を達成するか、その期限を設定する
体制図の作成法
業務一覧やWBSを基に、体制全体の体制図や、担当ごとの役割内容を明確にした役割表を整備していきます。 体制図や役割表はチーム間の相互扶助の関係性を築くための基礎情報となり、チーム内の誰が何を担当しているかを把握しやすくする事を目的として作成していきます。 ・役割表 チーム内で誰がどんな役割を担っているか、という全体の体制を明らかにして共有します。 チーム内での担当や責任範囲がどのように設計されているかを把握することで、チームメンバーが見通しよく動けるとともに、 何かあった際に誰が担当すべきかを見落とすリスクを減らすことができます。 そしてこれは、互いが協力しあえる環境づくりにおいて大切です。 また、体制づくりにおいては、業務の冗長化を行うことが有用です。 具体的には、一つ一つの業務に対して「メイン担当とサブ担当」を設け、その業務に対して最低限2人が知っている状態をつくる、ということです。 このことで、何かあった際にもサブ担当がフォローすることができ、また、一人で閉じた世界にならず互いに知恵を出し合うことで、業務をより良くすることにもつながります。 役割表を作成するときは、業務一覧やWBSを基にして、担当や役割を割り振ります。 ・体制図 体制図は、チーム間の相互扶助の関係性を築くための基礎情報となります。 つまりはチーム内の誰が何を担当しているかを把握しやすくすることが目的です。 また役割表に「メイン担当」「サブ担当」の表記を設けることにより、休暇取得時に誰がバックアップするのかが予め明確になり、 「メイン担当」しかいないことが分かれば、リスク回避のためサブ担当を育成する必要性が明らかとなり、育成期間中の協力が得やすくなります。 最後に、作成した体制図と役割表は必ずチームメンバー全員に共有しましょう。 これによって少なくとも隣のメンバーが何の業務をしているか分からない、ということは無くなります。 互いの仕事の状態を見える化することは協力体制をつくる上で大切なことです。 体制図と役割表は管理者が管理するものではなく、チームメンバー全員で共有するものであると認識しておくと良いでしょう。 またこれらをメンバーに共有する際、体制の意図や役割配置の理由、背景等も併せて伝えることで、 各々の役割の納得感が上がることでチームメンバーそれぞれのモチベーション向上や、 意図や背景を理解していることによってより適切な相互協力に繋がります。 意図、背景の共有、これらを必ずセットで行った上で、体制図、役割表はメンバーがいつでも確認できるようにしておきましょう。
QCDSのそれぞれの関係性
QCDSは互いに影響し合う関係にあるため、調整を行う際は、関係性を考慮しながらトレードオフをし調整を行っていきます。 影響範囲と、その調整方法をいくつかの例を用いてお伝えします。 例 とある企業の情報システム部門で、社内で使用する業務システムの開発と運用を行っています。 いくつかの部門向けに新たな業務システムの開発を行っていたところ、以下ケース①②のような状況があり、調整を行いました。 ケース① 要望:経営層から業務システムの利用範囲を従来のいくつかの部門から、社内の全ての部門に変更して欲しいという要請がありました。 理由:社内の全部門で利用することで、部門間の連携がスムーズになり大きく生産性が上がるためです。 対応:全部門で使うためには再度機能の見直し等が必要となるため、まずは全部門共通の最低限の機能のみで利用を開始し 後々機能をアップデートしていくことを提案し、その内容で進めることになりました。 このケースは対象の部門、つまり範囲(S)に関する要請に対して調整を行った例です。 どうにか要請に応えるために、予定の機能=品質(Q)を調整し、要請に応えることが出来ました。 コスト(C)の追加、納期(D)の延長で対応することもできますが、ここではコストと納期を守ることを優先しています。 ケース② 要望:開発を進めていた業務システムについて、当初予定の機能だけでなく、追加の機能も入れて欲しいという要望がありました。 対応:この要望に応えるためには、開発人員の追加と利用開始日の後ろ倒しが必要ということを説明した結果、 当初予定どおりの機能で進めることになりました。 このケースは品質(Q)に関する要請に対して、コスト(C)の増加と納期(D)の延長で実現することが出来る状態でしたが、 コストと納期の優先度が高く、当初の予定のとおりに進めることになったという例です。 今回は分かりやすく追加の要請というケースという例ですが、それ以外の理由でもQCDSのいずれかに変更が発生する場合は、必ず他の項目にも影響が出ます。 どの項目を調整すれば変更に対応できるのか、QCDSのどの項目の優先度が高いのかを考えながら、トレードフしていくことが調整の重要なポイントです。
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