【第1回】沢渡あまねの仕事のお悩み相談室
日頃仕事をしながら抱えているよくある悩みを、COROPSの監修に携わって頂いた沢渡あまねさんとの対談を通じて、解決の糸口になるヒントを見つけていく企画です。 1回目のテーマは、「モチベーションが上がらない」。 ・モチベーションは高ければ高いほどよい。 ・一定のモチベーションを保つやり方はあるのか? そういった考えが浮かんでいましたが、最初に沢渡さんからは、 「モチベーションは、高くないといけないのか?」 という投げからから話は思わぬ展開へ・・・
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ナレッジの背景や意味の共有について
チームで得たナレッジを関連ドキュメントに反映することで、チームメンバー全員がナレッジを反映し、たより良い仕事の進め方を実行することができるようになります。 一方ドキュメントに反映された時点では「なぜそうなったのか」「なぜそのやり方なのか」という理由までは反映されないことも多くあります。 純粋に決められた通りに間違いなく作業をすることを目的にするなら大きな問題はありませんが、そうではない場合には以下のような問題も生じます。 1つ目の問題は、状況が異なるケースに遭遇した際に行動ができなくなることです。 例えば他部門からの問い合わせ対応など、業務によっては、必ずしも毎回同じ作業を繰り返すというわけではないことも多くあります。 その場合、具体的な作業を細かく指定するのではなく、「考え方」や「ケース」をガイドする必要があるでしょう。 例えば、「手段Aと手段Bであれば、基本的に手段Aを優先するが、対応時間が大きく増える場合は、B案を優先する」などの考え方です。 2つ目の問題は、ドキュメントに記載されている以外のやり方の方が、自分にとって都合が良いと判断した場合に、別のやり方を選択してしまう可能性があるという問題です。 これは、そのやり方に至った背景、それ以外のやり方のデメリットを理解していないことから発生します。 チームとして大きな失敗をした直後、痛みを共有できているうちは問題ありませんが、時間が経ちその痛みを知らない人員に交代していくとこの問題の発生確率は上がります。 大きな事故を防ぐためなど、内容によっては、やり方そのものと併せて、「なぜそのやり方なのか」という背景を理解することも同じくらい大切になります。必ずドキュメントに反映しましょう。 これらの問題の防止策は、コミュニケーションによる共有が有効です。 このような意味、背景が重要なものは、それも併せてドキュメントに反映することが大事ですが、性質上どうしてもドキュメントへの反映ができない、ないしはそれだけでは足りない場合があります。 そういった場合は、口頭でも構いませんのでナレッジを伝える際に併せて伝えることや、時にそれらを目的とした共有会を開催する等も有効です。特に判断のための考え方等、ニュアンスの難しいものは逆にドキュメントには頼らず、コミュニケーションによる共有を徹底しても良いです。
メンバーのコンディション把握やキャリア形成に向けて面談スキルを強化したい
組織生産性の最大化、メンバーのキャリア実現支援のためにメンバーコミュニケーションは非常に重要です。面談を効果的に行うためには、面談する側のスタンスや印象も重要です。面談の主役はあくまで相手側であり、面談は相手役のための時間です。研修資料を参考としていただき、聞く姿勢・スタンスの重要性の理解と相手を尊重した姿勢で取り組みください。
チーム内の情報共有を円滑に行いたい
情報共有を円滑にするコツは、まずはルールを作ることです。 それぞれ知見を持った人たちが集まり、チームを形成すると、以前までのルールを踏襲したくなりますが、 チーム内で意見交換を行い、ルールを作るところから始めて下さい。 情報には以下の種類がありますので、これらに対して、どの様に連携していくかを考えます。 ①上位者からの情報 会社や組織、方針、決定事項など。今後の判断基準となり、遡って見る機会が多い情報です。 メールでの共有、理解を深めてもらえる様に、対面やzoomなど工夫が必要です。 予め、何の情報を、どのタイミングで、発信するべきかを予め設定しておいてください。 例えば、期の変わり目のキックオフ、人事情報、など、適切に発信を行ってください。 ②チーム内の情報 チーム運営に関わったり、業務に直接関連する情報。エスカレーション等。 情報の特性上、早く円滑に伝えるべきことが多く、すぐに連絡が取れるチャットツールなどを用いて、情報連携を行える工夫が必要です。 朝夕のショートMTGを設定し、そこで情報連携を取るようなケースもあります。 ③部下からの情報 普段感じているモヤモヤなど。 ポジティブな内容、ネガティブな内容とありますが、多くは不安なこと、不満に感じてること、迷っていることなど、言いにくいことが当たります。 1on1等で時間を確保して下さい。 情報を蓄積する手法としてすぐに作れるものは、エクセルで作る管理シートです。FMTも多数存在します。 最近では、社内のツールを使うことも多くなっており、slackやTeamsといったチャットツールでは、細かな単位で情報共有の場を作れる機能もあります。 運用時に注意しなければいけないのは、便利な反面、ツールやファイルが乱立してしまい、煩雑性が増してしまうことです。 利用する側にとっては、情報がどこにあるのか分からない、全て確認しないと最新情報をキャッチアップ出来ないという、不要な工数が発生してしまいます。 チャットツールでのよく起きる事例としては、チャットだけでやり取りが行われ、その中で取り決めがされた場合、後から過去に遡ってやりとりを確認しないと分からない、ということです。 そのような場合は、やり取りを一度まとめることで、後で確認する際の工数を減らせることが出来ます。
ナレッジの蓄積方法
ナレッジの蓄積は、以下の手順で行うと効果的です。 1.日々の経験や気付きを記録する まずは個人単位で業務遂行を通じて得た経験を、何らかの形で溜めていきます。 日々の業務の中で、「うまくいった、失敗した、ひやっとした、問題だと感じた、分からなかった」などの感想が大半になりますが、 メモでも構いませんのでとにかくしっかりと、残しておきましょう。 これをできていないと、一定期間のタイミングで振り返りを行う際に、まず思い出すことから始めないといけなくなります。 かなり非効率になってしまいますので、ぜひ経験や気づきを記録することを日々の習慣にするようにしてください。 2.振り返る 次に、蓄積した内容を振り返り、整理します。ナレッジ化にはこの工程がとても大切です。 なぜそうなったのかを分析し、こうすればうまくいく、こうすると失敗する、という命題形式の教訓に変換をしていきましょう。 3.チームで共有し、確認する 一定期間溜めた内容をチームで共有し、チームとして有用なものをチームのナレッジとして管理していきます。 これによって個人の気付きだけでなく、チームとしての学びにすることができます。 これらの活動は時間を取ることはとても難しいですが、サイクルが回り出すとチームに余裕が生まれ、仕事が格段にやりやすくなります。 4.関連ドキュメントに反映する 最後に、それらのナレッジをいつでも当たり前に利用できるものとして残します。 ステークホルダーに関することなら、ステークホルダー一覧にといった具合に本書で紹介されているドキュメントの中で関連するものを更新します。 繰り返し実行する作業に関する内容は、業務フロー図や手順書をアップデートすることで教訓を活かし、大きく生産性を上げることができます。 ナレッジは、活用されてこそ価値が高まります。ただし、何もフィードバックがないとそのナレッジの有用性や再現性を評価することができません。ナレッジを活用したら、「ここがうまくいった」「ここがうまくいかなかった」「このようなケースではうまくいく」など、 チームミーティングやナレッジ共有会などの場で、またはナレッジを共有するツールのチャット欄などで、書き込みによりフィードバックをするようにしましょう。 理想的なナレッジ管理の手順を記載しましたが、始めのうちは、まずはメモを残す、共有するだけでも良いです。 それだけでも後から同様の業務をする人にとっては大きな助けとなります。 最低限メモを残し、活用しながらブラッシュアップしてより活用しやすいナレッジにすれば良いのです。
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