【第1回】沢渡あまねの仕事のお悩み相談室
日頃仕事をしながら抱えているよくある悩みを、COROPSの監修に携わって頂いた沢渡あまねさんとの対談を通じて、解決の糸口になるヒントを見つけていく企画です。 1回目のテーマは、「モチベーションが上がらない」。 ・モチベーションは高ければ高いほどよい。 ・一定のモチベーションを保つやり方はあるのか? そういった考えが浮かんでいましたが、最初に沢渡さんからは、 「モチベーションは、高くないといけないのか?」 という投げからから話は思わぬ展開へ・・・
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チャレンジングなアサインをするときに気を付けること【依頼編】
人の成長に影響を及ぼす要素は、70%は経験、20%は他人からの助言、10%は研修や書籍からの学びと気づきといった調査結果があります。人材育成の観点では、チームが関与する割合は非常に大きく、チーム内でいかにメンバーが成長する経験を積むことが出来るかが、チームの価値発揮に大きな影響を及ぼします。 そのため、ときには、チャレンジングなアサインが重要になってきます。 このアサインをする際には、以下のポイントに注意を払ってください。 ・依頼元が着地イメージを出来ていない 完了している状態が依頼元も分からない場合に、アサインを考えても失敗しやすくなります。 この着地イメージが湧いていないまま依頼することは、無茶振りといいます。 着地イメージが湧いていないと、本当に依頼先の方が適切なのかどうか(本人の志向性が合っているか、ハードルが高すぎ/低すぎないか)、判断が出来ません。 更に、アサイン後にフォローについても、イメージが無いままでは具体的なアドバイスが上手く出来ません。 このようなことの発生するリスクが高いために、依頼元は着地イメージを想定してから、アサインを検討する様にしてください。 ・本人の志向性とのマッチングについて 依頼先の方の志向性やチャンレジしたいことと、こちらからお願いしたいことが100%マッチすれば良いですが、必ずしもそうではないケースもあります。チャレンジすることで得られることは何か?をまとめて、依頼元の方に対して完了したときの成長した自分の姿や、達成した状態など、より具体的なイメージを持ってもらえるようになります。 そうすることで、アサインへの納得感を上げることに繋がります。 ただし、全く志向性と違うケースもあり得ます。その場合は、正直にそうせざるをえない理由を伝えて、双方で納得した上で進められるとよいでしょう。
稼働状況の把握の仕方
稼働状況を把握するには、当然ですが実績だけでなく、もともと想定していた予定工数との比較が重要です。 当初計画した工数に対して、実際にどれくらいの工数がかかっているかをチェックし、 どれくらい計画から乖離しているか? 実績ではメンバーが一定期間(日、週など)にどれくらいの時間仕事をしているか? それらを定期的にしっかり見るようにしましょう。 一般的に日本人の気質はとかく悪い状態を自ら報告することが少なく、問われても「まだ大丈夫です」と報告する傾向にありますので、事実としてのデータを押さえることが大切です。できれば毎日、少なくとも数日に1度は、チームメンバーの1日の総勤務時間を把握することが基本です。 以下ポイントを4つお伝えします。 ・工数の入力 工数管理表、ないしは勤怠システムなどを使い、日々の工数をメンバー各々が入力する。 ・稼働実績の確認 実際の工数と計画がどれくらい乖離しているか確認する。また、業務負荷が高く、残業が多いメンバーも確認する。 ・残業が増加している理由を確認 具体的に困っていることを確認する。 ・周囲との連携を検討する 困っていることに対してアドバイスできることはないか。一部業務をチーム内で再配分するなど助けられることはないかを確認する
業務標準化を進めるために最初にやること
標準化を進めていくために、何から手を付けるべきかですが、いきなりマニュアルを作成し始めてはいけません。一番最初に取り組むべきことは、業務一覧を作ることです。 チームで対応すべき業務を一覧化し、その中で、優先度が高いモノから着手し始めましょう。 業務一覧から取り掛かる理由ですが、3,4名のチームであれば、全員が全体を俯瞰的に見えているため、何が一番優先度が高いのか、共通認識を持てていることが多いです。 例えば6名のチームで2人1組で3つの業務を担当して進めている場合、何から着手すべきかは、全体を俯瞰するために情報整理を行わないと正しい判断が出来ません。そのために、業務一覧をまずは作成する所から始めます。そして業務一覧に沿って、マニュアル、手順書、フロー、FAQなどがあるかどうかをチェックし、何から着手するか優先度を定めていきます。
目標、施策の進捗確認をしよう
進捗を確認するには、チーム全体の活動をデータ化し、予定に対する実績を確認する必要があります。 この際に週単位や月単位といった累積値の推移が分かるようにすることで状況把握が行いやすくなります。 設定した目標・アクション・KPIの進捗確認をした後は、未来を予測します。 このままのペースで進めた場合に目標が達成できるかどうかを予測し、達成が難しいと思われる場合は、アクションを修正しましょう。 現在の数値を正しく把握するとともに、「このまま進めたらどうなるか」を予測することが大切です。 実績の可視化のポイント 測定手法については、何らかのシステムから日々の行動のデータを抽出し可視化できると現状把握が非常に楽になりますが、 システム等でのデータ抽出ができない場合は工夫が必要です。 例えば、WBSや業務一覧から進捗を把握する場合は、それぞれのタスクの完了条件を明確にした上で、 ステータス変更をすることで、進捗率を見ることができます。 変更するルール(毎日定時時間を設けて更新する、変更する人を決めるなど)を定めておくと、現状把握を行いやすくなります。 チーム全体の進捗を見るためには、各メンバーの期間中の活動の可視化が必要な場合もあります。 各メンバーは日や週単位で自分自身のパフォーマンス入力を欠かさずに行いましょう。 例えば、管理システムや管理表などに数値などの実施結果を入力する、WBSのステータスを変更する、稼働工数を入力する、などです。 とにもかくにも、実績数値を可視化することが進捗把握の基本となります。 進捗と状況の共有のポイント 予定と実績の進捗はただ管理者が把握するだけでなく、関係者、チーム内双方に定期的に報告、共有しましょう。 これは正確な進捗管理と同じく、あるいはそれ以上に大切なことです。 関係者に定期的に報告することで、状況や背景が変化し目標そのものを変更しなければいけない場合に早期にそれをキャッチアップすることができますし、 進捗の改善に周りの協力が必要な場合などにその協力を取り付けやすくなります。 チーム内への共有も非常に大事です。どれだけ良い目標を設定し、チーム内のコミットメントを高めたとしても、その進捗が分からなければ、 自分の仕事が何に繋がっているかの実感が薄くなり、コミットメントは弱まります。 それどころか、何のために仕事をしているのかが分からずモチベーションが低下してしまうことで、管理層への不信感に繋がります。 よく、「状況が悪いので共有を見送っている」「不明確な情報もあるので、共有ができない」といったシーンを見ますが、これは全く逆です。 きちんと目標設定ができていれば、悪い状況に関してもチーム全員で改善について検討し、 より良い改善案を出すことができますし、「悪いことでも共有してくれた」という信頼感が更にコミットメントを高めます。 また、不明確な情報であっても「不明確である」ということをきちんと前提として伝えさえすれば、 誤解などを招くことは少なく、むしろ仮説をベースに早い段階からチーム全体でアクションを考えることができます。
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