課題解決を加速するIssueリストの使い方
チームが目標に向かって進む際、計画時には見えなかった課題や、実行して初めて気づく改善点は必ず出てきます。 これらの課題を放置せず、体系的に収集・整理し、具体的なアクションにつなげる仕組みが「Issueリスト」です。 Issueリストは、課題や気づきを「見える化」し、チーム全体で共有・活用できる便利なツールです。 これを活用することで、課題を解決しながらチームの成長と成果の最大化が可能になります。 この記事では、Issueリストの基本的な役割を解説した上で、 その活用方法を「収集」「アクション化」「実行」の3ステップで紹介します。 ※Issueリストと課題管理表の違い Issueリストが課題の「何が問題か」を明確にするためのリストであるのに対し、 課題管理表は「どう解決するか」を課題、タスク、担当者、期日、進捗などを具体的に管理する表です。 課題管理表の元となるリストとして活用しましょう。 目次 Issueリストとは? Issueリストの活用方法 まとめ 関連資料 1. Issueリストとは? Issue(イシュー)リストとは、チームの中で発生している課題や気づき、 改善のヒントを記録・整理するためのリストです。 日々の業務の中で「やりづらい」「気になる」「もっとこうした方が良いのでは?」と感じたことを可視化し、チーム全体で共有・活用することで、継続的な改善を促進します。 Issueリストがあることで得られるメリット 課題の見える化:個人の気づきをチーム全体で共有できる 改善のスピード向上:気づいたことをすぐにアクションにつなげられる チームの成長促進:現場の声をもとに、業務や仕組みを進化させられる 心理的安全性の向上:意見を出しやすい環境が整い、チーム内の対話が活性化する Issueリストがない場合に生じるリスク 課題が埋もれる:現場で感じた違和感や改善点が放置される 同じ失敗の繰り返し:過去の問題が記録されず、再発防止ができない 改善の機会損失:メンバーの気づきが活かされず、チームの成長が停滞する 属人化の加速:個人の経験が共有されず、ノウハウが個人に閉じてしまう Point Issueリストは、チームの「気づき」を「改善」につなげるための出発点である 記録すること自体が目的ではなく、アクションに結びつけることでチームの生産性と柔軟性が向上する 2. Issueリストの活用方法 Step Issueリストで改善意見を収集する 収集した意見をアクション化する アクションを実行する Step1:Issueリストで改善意見を収集する 課題や改善点の発見は、チームの成長に欠かせません。 まずは、チーム内の意見を幅広く収集する仕組みを整え、課題や気づきを見える化しましょう。 ①収集の仕組みを整える 共有ファイルやチャット部屋を用意:チーム全員が編集できるExcelやスプレッドシートがおすすめ 記載ルールを明確に:不安・気づき・アイデア・改善点など、記載内容を事前にすり合わせておく 記入頻度を決める:週1回など定期的な記入を促すことで、日常業務の中でアンテナを張る習慣が生まれる ②補完手段としてインタビューを活用 業務が忙しく記入が進まない場合は、インタビューで意見を引き出す 事前に業務内容や4M(Mission, Measurement, Method, Member)の視点で仮説を立てておくと、スムーズに進行できる Step2:収集した意見をアクション化する 収集した意見をそのままにしておいては意味がありません。 次に、それらを具体的な行動につなげるために整理し、チーム全体で共有・議論しながら解決策を明確化しましょう。 ①4Mでカテゴリ分類する Mission:顧客ニーズ、期待値、事故・ヒヤリハットなど Measurement:目標、指標、進捗に対する違和感 Method:業務フロー、ナレッジ、標準化の余地 Member:稼働状況、育成、ローカルルールなど 分類することで、意見の偏りや見落としを可視化できます。 意見が少ないカテゴリは、視点が向いていない可能性があるため、追加の収集が必要です。 ②チームで意見交換する 事象と原因のすり合わせ:何が起きているのかを共有し、認識を揃える 解決状態の定義:「どうなれば解決か」を明確にし、未知の課題に対してはミッションやゴールを再確認してヒントを探ることが重要 アクションの具体化:誰が何をいつまでにやるかを明確にし、進行に応じて柔軟に詳細化していくことが重要(理想はWBS化だが、箇条書きでもOK) Step3:アクションを実行する 整理したアクションを実行することで、チームは実際の改善を進められます。 優先順位を決め、効果的に割り振ることで、着実な進捗と成果につなげていきましょう。 ①優先順位を決める 効果の大きさ、工数、放置による影響度を基準に、着手順を決定 ②割り振りを工夫する 得意な人に任せる:スピードと精度が向上 志向性に合わせる:モチベーションが高まり、主体的な取り組みにつながる チャレンジ枠を設ける:未経験者にも挑戦の機会を提供し、フォロー体制を整えて支援する ③コミュニケーションプランを設計する 定期MTGに進捗共有のアジェンダを追加するなど、進捗を確認する場を必ず設ける 進捗が停滞する原因は「工数不足」だけでなく「イメージできないこと」も多い相談や対話を通じて、行動のイメージを明確にすることが重要 まとめ Issueリストは、チームの課題や改善のヒントが詰まった「宝の山」です。 収集→整理→実行のサイクルを回すことで、チームの改善力と成果が着実に高まります。 日常業務に組み込み、継続的に活用することで、チームの成長を加速させましょう。 関連資料 ▶▶【📅ファイル】イシューリストのダウンロード はこちら