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【第19回】沢渡あまね平野乃愛の仕事のお悩み相談室
日頃仕事をしながら抱えているよくある悩みを、COROPSの監修に携わって頂いた沢渡あまねさん、平野乃愛さんとの対談を通じて、解決の糸口になるヒントを見つけていく企画です。 今回のテーマは「自分が関わったことがないタイプの方との関わり方」です。 特に期初は、組織が大きく変わるタイミングです。新しい組織が作られたり、既存の組織でも、所属する方々の変更があります。 事例を踏まえながら、解決のヒントについて沢渡あまねさん、平野乃愛さんから解説をいただきます。 ------------------------------------------------------------ 『COROPS』とは? 企業を取り巻く環境が急速に変化する今、より効率的なチームの在り方 が必要とされています。パーソルP&Tで新時代に適した「仕事の進め方」 を確立することが大切だと考え生まれたチーム強化メソッド。 ------------------------------------------------------------
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ナレッジの背景や意味の共有について
チームで得たナレッジを関連ドキュメントに反映することで、チームメンバー全員がナレッジを反映し、たより良い仕事の進め方を実行することができるようになります。 一方ドキュメントに反映された時点では「なぜそうなったのか」「なぜそのやり方なのか」という理由までは反映されないことも多くあります。 純粋に決められた通りに間違いなく作業をすることを目的にするなら大きな問題はありませんが、そうではない場合には以下のような問題も生じます。 1つ目の問題は、状況が異なるケースに遭遇した際に行動ができなくなることです。 例えば他部門からの問い合わせ対応など、業務によっては、必ずしも毎回同じ作業を繰り返すというわけではないことも多くあります。 その場合、具体的な作業を細かく指定するのではなく、「考え方」や「ケース」をガイドする必要があるでしょう。 例えば、「手段Aと手段Bであれば、基本的に手段Aを優先するが、対応時間が大きく増える場合は、B案を優先する」などの考え方です。 2つ目の問題は、ドキュメントに記載されている以外のやり方の方が、自分にとって都合が良いと判断した場合に、別のやり方を選択してしまう可能性があるという問題です。 これは、そのやり方に至った背景、それ以外のやり方のデメリットを理解していないことから発生します。 チームとして大きな失敗をした直後、痛みを共有できているうちは問題ありませんが、時間が経ちその痛みを知らない人員に交代していくとこの問題の発生確率は上がります。 大きな事故を防ぐためなど、内容によっては、やり方そのものと併せて、「なぜそのやり方なのか」という背景を理解することも同じくらい大切になります。必ずドキュメントに反映しましょう。 これらの問題の防止策は、コミュニケーションによる共有が有効です。 このような意味、背景が重要なものは、それも併せてドキュメントに反映することが大事ですが、性質上どうしてもドキュメントへの反映ができない、ないしはそれだけでは足りない場合があります。 そういった場合は、口頭でも構いませんのでナレッジを伝える際に併せて伝えることや、時にそれらを目的とした共有会を開催する等も有効です。特に判断のための考え方等、ニュアンスの難しいものは逆にドキュメントには頼らず、コミュニケーションによる共有を徹底しても良いです。
チームメンバーが発言しやすい環境をつくる
チーム運営をする上で、チームメンバーが感じていることや意見を言える状態にあることはとても大切です。 チームの状況に何らか発生している異変の察知、あるいは問題を解決するためのアイデアや、 メンバーが気づいたことや考えたことをチームに共有することで、チームは状況に対して迅速に対応することができます。 ところが、「チームにとって良くない状況を報告したら否定されるのでは?」など、 無用なプレッシャーや不安に晒されている場合、これらを速やかにチームに共有することがためらわれてしまいます。 そのため、気づいたことや考えたことを発言することそのものに対して、「発言してよいのだ」と感じられる雰囲気を作るように心がけましょう。 具体的には、どのような報告に対しても、まずは「報告したこと」に対してお礼を伝えるなど、 発言することをメンバーがポジティブに捉えられるような工夫や仕組みの構築が大事です。
友好な関係性を結び、信頼関係を構築する方法
仕事を進めやすくするためには関係者と良好な関係を構築することが大切です。 相手から信頼を得られると、より円滑に進みます。 関係者の中でも、特に顧客との関係性構築を優先・注力しましょう。 関係性構築のポイント: ・初対面の時はできれば対面で挨拶すること ・オンラインの際は、バーチャル背景に名詞や自分の趣味の画像などを 反映させると、覚えてもらいやすくなります ・仕事場ではないところでも交流機会を持つことで、相手の本音を引き出しやすくなります 関係者から信頼を得るためのポイント: ・少しだけでも相手の期待していること以上の成果を出し、相手の依頼にはスピーディーに応えること この行動の蓄積によって相手は少しずつこちらを信頼し、より重要な依頼や本音を開示してくれるようになります ・能動的に認識ズレを防ぐこと。 一度認識がズレると信頼関係を壊してしまいます。認識ズレを防ぐコミュニケーションの第一歩は、 自分から能動的に相手に投げかけることです。 例えば、相手側から「これやっておいて」「あの件はどうなった?」などの依頼を都度応えていた場合、 頻度高くコミュニケーションを取っているように見えても、受け答えをしているだけで相手の認識を確認していません。 時間に余裕がない状況でも、出来るだけこちらから何かを提案をし、疑問・質問を投げかけてみましょう。 その反応によって、認識ズレを防ぐことができます。 最初は提案が的外れだったとしても構いません。相手は少しずつこちらを認識し、呼応しようと思ってもらえるようになります。
ナレッジの蓄積方法
ナレッジの蓄積は、以下の手順で行うと効果的です。 1.日々の経験や気付きを記録する まずは個人単位で業務遂行を通じて得た経験を、何らかの形で溜めていきます。 日々の業務の中で、「うまくいった、失敗した、ひやっとした、問題だと感じた、分からなかった」などの感想が大半になりますが、 メモでも構いませんのでとにかくしっかりと、残しておきましょう。 これをできていないと、一定期間のタイミングで振り返りを行う際に、まず思い出すことから始めないといけなくなります。 かなり非効率になってしまいますので、ぜひ経験や気づきを記録することを日々の習慣にするようにしてください。 2.振り返る 次に、蓄積した内容を振り返り、整理します。ナレッジ化にはこの工程がとても大切です。 なぜそうなったのかを分析し、こうすればうまくいく、こうすると失敗する、という命題形式の教訓に変換をしていきましょう。 3.チームで共有し、確認する 一定期間溜めた内容をチームで共有し、チームとして有用なものをチームのナレッジとして管理していきます。 これによって個人の気付きだけでなく、チームとしての学びにすることができます。 これらの活動は時間を取ることはとても難しいですが、サイクルが回り出すとチームに余裕が生まれ、仕事が格段にやりやすくなります。 4.関連ドキュメントに反映する 最後に、それらのナレッジをいつでも当たり前に利用できるものとして残します。 ステークホルダーに関することなら、ステークホルダー一覧にといった具合に本書で紹介されているドキュメントの中で関連するものを更新します。 繰り返し実行する作業に関する内容は、業務フロー図や手順書をアップデートすることで教訓を活かし、大きく生産性を上げることができます。 ナレッジは、活用されてこそ価値が高まります。ただし、何もフィードバックがないとそのナレッジの有用性や再現性を評価することができません。ナレッジを活用したら、「ここがうまくいった」「ここがうまくいかなかった」「このようなケースではうまくいく」など、 チームミーティングやナレッジ共有会などの場で、またはナレッジを共有するツールのチャット欄などで、書き込みによりフィードバックをするようにしましょう。 理想的なナレッジ管理の手順を記載しましたが、始めのうちは、まずはメモを残す、共有するだけでも良いです。 それだけでも後から同様の業務をする人にとっては大きな助けとなります。 最低限メモを残し、活用しながらブラッシュアップしてより活用しやすいナレッジにすれば良いのです。
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