ナレッジの蓄積方法
ナレッジの蓄積は、以下の手順で行うと効果的です。
1.日々の経験や気付きを記録する
まずは個人単位で業務遂行を通じて得た経験を、何らかの形で溜めていきます。
日々の業務の中で、「うまくいった、失敗した、ひやっとした、問題だと感じた、分からなかった」などの感想が大半になりますが、
メモでも構いませんのでとにかくしっかりと、残しておきましょう。
これをできていないと、一定期間のタイミングで振り返りを行う際に、まず思い出すことから始めないといけなくなります。
かなり非効率になってしまいますので、ぜひ経験や気づきを記録することを日々の習慣にするようにしてください。
2.振り返る
次に、蓄積した内容を振り返り、整理します。ナレッジ化にはこの工程がとても大切です。
なぜそうなったのかを分析し、こうすればうまくいく、こうすると失敗する、という命題形式の教訓に変換をしていきましょう。
3.チームで共有し、確認する
一定期間溜めた内容をチームで共有し、チームとして有用なものをチームのナレッジとして管理していきます。
これによって個人の気付きだけでなく、チームとしての学びにすることができます。
これらの活動は時間を取ることはとても難しいですが、サイクルが回り出すとチームに余裕が生まれ、仕事が格段にやりやすくなります。
4.関連ドキュメントに反映する
最後に、それらのナレッジをいつでも当たり前に利用できるものとして残します。
ステークホルダーに関することなら、ステークホルダー一覧にといった具合に本書で紹介されているドキュメントの中で関連するものを更新します。
繰り返し実行する作業に関する内容は、業務フロー図や手順書をアップデートすることで教訓を活かし、大きく生産性を上げることができます。
ナレッジは、活用されてこそ価値が高まります。ただし、何もフィードバックがないとそのナレッジの有用性や再現性を評価することができません。ナレッジを活用したら、「ここがうまくいった」「ここがうまくいかなかった」「このようなケースではうまくいく」など、
チームミーティングやナレッジ共有会などの場で、またはナレッジを共有するツールのチャット欄などで、書き込みによりフィードバックをするようにしましょう。
理想的なナレッジ管理の手順を記載しましたが、始めのうちは、まずはメモを残す、共有するだけでも良いです。
それだけでも後から同様の業務をする人にとっては大きな助けとなります。
最低限メモを残し、活用しながらブラッシュアップしてより活用しやすいナレッジにすれば良いのです。