〈目次〉
1. コミュニケーションの仕組み化
コミュニケーションを仕組み化するために、”コミュニケーションプラン”を作成していきましょう。
コミュニケーションプランとは、仕事をスムーズに進めるために、対話の機会をあらかじめ計画し確保しておくことですので、
対話の内容により頻度や手法が変わってきます。
コミュニケーションプランを作成するために、「目的(内容)」「頻度」「手法」の3 つの事柄に分けて考えましょう。
コミュニケーションプラン作成のために 考えるべきこと
- 目的(内容) 何を会話したいか? 「意見交換、相談、連絡、報告、承認」
頻度 どれくらい会話したいか? 「定期、不定期」
手法 どのように行いたいか? 「メール、チャット、対面、会議体」
コミュニケーションプラン作成時に注意すべきこと
- チームの組成時やプロジェクトの発足時には、関係者間で勘違いや認識ズレが発生しやすい時期ですので
決定的なすれ違いによるリスクを低減するためにも、日次でのミーティングを設定しましょう。- 決裁者など活動のカギを握る主要な関係者が参加される会議については、あらかじめ数ヵ月先まで定期的な接点を確保しましょう。
これは何かが起こってから、急に予定を確保しようとすると調整が難しいことが多いので、
情報交換や意思決定の遅れによるリスクを低減するためです。
(何か問題や会話したいことが発生した場合に、急にスケジュールを空けていただくよう調整するより
あらかじめ予定を確保し不要な場合にキャンセルする方が、相手への負担が少なく親切です。)
予定をキャンセルする際には、
「今週の会議で課題は解決したため来週までに追加のアジェンダがなければ次週定例はキャンセルします」など理由をお伝えし、適宜関係者に連携を行いましょう。
2. 関係性を深めるために効果的なこと
人との関係性はコミュニケーションの量に比例すると言われています。
チームの組成時やプロジェクト発足時などでは、関係性を深めるために頻度を高く対話することを意識しましょう。
また話し下手の方であっても、会う回数や相手の視界に入るだけ関係性を深める効果があります。
Tips ザイアンスの法則
人が人に好感を持ち始める時は、話す内容や時間の長さは関係なく
実際に会う回数が多い人物であればあるほど好感を持ちやすい
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加えて、日常的な接点だけではなく、より深い関係性を構築するためには普段とは別の交流の場を設けるとより効果的です。
交流会の例
- 仕事が一段落したタイミングでの「慰労会(打ち上げ)」
- 関係者の入れ替わりが発生したタイミングでの「歓送迎会」
- 新たなお付き合いを始める際の「交流会」
昨今は、対面での宴会を控える風潮もありますので、その場合はランチ会や業務時間内での振り返り会などを企画してみましょう。
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3. 関連資料
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会議の生産性を高めるには
〈目次〉 有意義な会議を行うために 会議前に確認するべき点 会議アジェンダの例 関連資料 1. 有意義な会議を行うために 会議は、コミュニケーションの仕組み化・情報共有・意思決定・課題解決・チームの連携強化のために実施しましょう。 全員の意見を集め、目標に向けた具体的な行動を決める場として活用します。 決めるべきことを決定し、無駄のない会議にするためには、内容に合わせて適切な頻度を検討することが必要です。 変動性が高い業務内容であれば、頻度を高くして認識を合わせる必要があります。 一般的な会議の例、頻度については以下を参考にしてください。 会議名 内容 キックオフ 特定のテーマに対して参集された関係者が初回の認識合わせを行う会 日次定例会 前日、当日、翌日の業務状況/予定および課題共有の実施のため、チーム全体や、 一部のメンバー間にて少なくとも日に1回は開催する会議。実施形態としては、朝会、夕会などが多く見られる 週次定例会 関係者、チームから代表が参加し、週次の業務状況報告、および課題の共有などについて 目線合わせ、意見交換を行う 月次定例会 関係者、チームから代表が参加し、月次の業務状況報告、および課題の共有と次月の方針/目標/活動内容などについて 目線合わせ、意見交換を行う 四半期 半期の定例会 四半期もしくは半期に1度、チームの目標、アクションプランの進捗状況や実績、および課題/施策などの報告、 関係者との意見のすり合わせ、今後のニーズすり合わせなどを行う 2. 会議前に確認するべき点 会議自体の生産性を上げるには、事前の準備をいかに進められるかが重要です。 例えば、会議で議論すべきことを事前に整理しアジェンダを関係者に展開しておくとミーティングは効率的に進みます。 また、以下表の確認点を見直すことで、生産性を高めることもできます。 確認点 確認内容・理由 出席メンバー間で 会議の目的とゴールを共有できているか 会議の目的やゴールのイメージが参加者内でズレてしまっていると、 会議がうまく進まなくなることが多いです。 できる限り、会議の目的やゴールは事前に認識をすり合わせるようにしましょう。 アジェンダは提出済みか アジェンダは会議前に提出しましょう。 アジェンダの時間設定は、普段から相手の反応や言動を観察し、 どのアジェンダで意見交換の時間を多めに取るかなど、 時間配分を考慮できているとより良いです。 全員出席が必要か 全員で意見交換する場は必要ですが、 すべての会議で全メンバーを出席することにした場合、その分工数確保が必要になります。 会議の出席者は、関係者図を参考にして、目的と内容に合わせて決定するようにしましょう。 また、大きな意思決定を行う会議の場合は、決裁者や自チームの管理者も出席できるように調整します。 メールや電話、チャットでは 代替えできない内容か 情報共有のみが目的の会議であれば、あえて参加者の時間を取らず チャットやメールで共有で終わる可能性もあります。 適宜、会議を行う必要があるかどうかも検討しましょう。 3. 会議のアジェンダ例 会議の生産性を高めるために、当日のアジェンダ(議題とタイムライン)を共有しておくと会話がスムーズに進みます。また議事内容はメモ書き程度でも残しておくと、欠席者への情報共有ができ、次回会議の進め方に活かすことができます。 アジェンダの例は以下の表を参考にしてください。 No アジェンダ 概要 時間 発表者 備考 1 目標進捗 KPI達成状況と今後のアクション確認 10分 リーダー 2 課題確認 課題管理表に記載の課題とアクションの確認 20分 全員 3 共有、相談事項 気になっていること、困っていることの共有と相談 10分 全員 4 ナレッジ・スキルシェア 今週の気づき、有効な対応の共有 10分 Aさん 毎週持ち回り 5 周知・共有事項 顧客とのミーティング、上位組織の会議体からの フィードバック事項 10分 リーダー 合計時間 60分 4. 関連資料 ▶▶【📝記事】コミュニケーションの仕組み化 はこちら ▶▶【🎥動画】らくらく議事録フォーマット はこちら ▶▶【🎥動画】ファシリテーション~苦手克服までの体験記 はこちら
チーム内の情報共有を円滑にするコツ
〈目次〉 情報の共有方法とタイミング上位層からの情報共有チーム内の情報共有部下からの情報共有 連携した情報の蓄積 関連資料 1. 情報の共有方法とタイミング チーム内の情報共有を円滑にするコツは、情報の性質にあわせて連携ルールを決めることです。ルールを決める際には、経験豊富なベテランメンバーの意見や、要職につかれている方の意見が強く反映されがちですが、 より納得感と実効性を高めるためには、チーム内でフラットに意見交換を行いルールを決めましょう。ここでは、情報の性質にあわせた、共有方法・共有タイミングを検討する際の参考情報をご紹介します。 共有するべき情報の性質 上位層からの情報共有 チーム内の情報共有 部下からの情報共有 それぞれの、共有の仕方や共有タイミングを確認していきます。 上位者からの情報共有 情報の性質 会社や組織・方針・決定事項など 今後仕事を進めていく上での判断基準となり、何度も遡って見る機会が多い情報です。 共有の仕方 メールやチャットでの共有だけでは理解しにくいことも多いため、 対面やZoomなど口頭説明の機会を設定すると良いです。 共有タイミング 予め、「何の情報がいつ頃までに欲しいか」チームで会話し 上位者へお願いしておきましょう。 例:「年度計画を立てるために、4月初旬のキックオフで方針の説明をしていただけますか?」 チーム内の情報共有 情報の性質 チーム運営に関わったり、業務に直接関連する情報。 特性上、早く円滑に伝えるべきことが多いです。 例:エスカレーション内容 など 共有の仕方 すぐに連絡が取れるチャットツールなどを用いて、情報連携を行える工夫が必要です。 共有タイミング 朝夕のショートMTGを設定し、そこで情報連携を取るようなケースもあります。 部下からの情報共有 情報の性質 普段メンバー自身が感じているモヤモヤなど。 ポジティブな内容、ネガティブな内容とありますが、多くは不安なこと、不満に感じてること、 迷っていることなど、言いにくいことが当たります。 確認の仕方・ 確認タイミング 1on1等で時間を確保し、まずは「何でも言ってよい雰囲気」を作り出し 聴く態勢を整えてください。 2. 連携した情報の蓄積 連携した情報を蓄積し組織全体で知識を共有することで、業務の効率化やミス防止に繋がります。 データを少しずつ蓄積・活用し、将来の業務や改善にも役立てていきましょう。 最近では、データを蓄積するためにツールを使うことも多くなっており、 slackやTeamsといったチャットツールでは、細かな単位で情報共有の場を作れる機能もあります。 万が一、職場環境の制限などでツールが使用できない場合は、以下のイメージで管理表を作成し管理します。 ※Excelで作る管理シートのフォーマットは本記事内の「3.関連資料」よりダウンロードができます。 Point 蓄積したデータの見直し 蓄積されたデータは、整理整頓する必要があります。 特に、使われていなかったり利用頻度の低いデータについては、 利用者側から見ると「どこに何が書いてあるのかが分からない」ため、 「すべての情報を一通り確認しないと最新のデータをキャッチアップ出来ない」というような 不要な工数が発生したり、 有用な情報を確認する際のノイズとなってしまったりします。 せっかく蓄積したデータをより有益に活用するためにも、期の終わりなど定期的なタイミングできちんと整理を行いましょう。 特に、チャットツールはログが残せるため、ナレッジ管理用のための工数がかからず効率的ですが、 過去からの情報が残り続けていると煩雑化するため意識的に整理を行うようにしましょう。 3. 関連資料 ▶▶【📝資料】情報共有シート.xlsx はこちら ▶▶【📝記事】コミュニケーションの仕組み化 はこちら
体制図の作成法
業務一覧やWBSを基に、体制全体の体制図や、担当ごとの役割内容を明確にした役割表を整備していきます。 体制図や役割表はチーム間の相互扶助の関係性を築くための基礎情報となり、チーム内の誰が何を担当しているかを把握しやすくする事を目的として作成していきます。 ・役割表 チーム内で誰がどんな役割を担っているか、という全体の体制を明らかにして共有します。 チーム内での担当や責任範囲がどのように設計されているかを把握することで、チームメンバーが見通しよく動けるとともに、 何かあった際に誰が担当すべきかを見落とすリスクを減らすことができます。 そしてこれは、互いが協力しあえる環境づくりにおいて大切です。 また、体制づくりにおいては、業務の冗長化を行うことが有用です。 具体的には、一つ一つの業務に対して「メイン担当とサブ担当」を設け、その業務に対して最低限2人が知っている状態をつくる、ということです。 このことで、何かあった際にもサブ担当がフォローすることができ、また、一人で閉じた世界にならず互いに知恵を出し合うことで、業務をより良くすることにもつながります。 役割表を作成するときは、業務一覧やWBSを基にして、担当や役割を割り振ります。 ・体制図 体制図は、チーム間の相互扶助の関係性を築くための基礎情報となります。 つまりはチーム内の誰が何を担当しているかを把握しやすくすることが目的です。 また役割表に「メイン担当」「サブ担当」の表記を設けることにより、休暇取得時に誰がバックアップするのかが予め明確になり、 「メイン担当」しかいないことが分かれば、リスク回避のためサブ担当を育成する必要性が明らかとなり、育成期間中の協力が得やすくなります。 最後に、作成した体制図と役割表は必ずチームメンバー全員に共有しましょう。 これによって少なくとも隣のメンバーが何の業務をしているか分からない、ということは無くなります。 互いの仕事の状態を見える化することは協力体制をつくる上で大切なことです。 体制図と役割表は管理者が管理するものではなく、チームメンバー全員で共有するものであると認識しておくと良いでしょう。 またこれらをメンバーに共有する際、体制の意図や役割配置の理由、背景等も併せて伝えることで、 各々の役割の納得感が上がることでチームメンバーそれぞれのモチベーション向上や、 意図や背景を理解していることによってより適切な相互協力に繋がります。 意図、背景の共有、これらを必ずセットで行った上で、体制図、役割表はメンバーがいつでも確認できるようにしておきましょう。

ナレッジの蓄積について
事例、ナレッジ、ノウハウの違いは何か、を正しく理解するところから始めます。 事例とは、具体的な経験のことです。 ナレッジとは、その経験から、汎用化した学びのことです。 ノウハウは、ナレッジを実践するための、コツのことです。 例でいえば、ある提案資料があります。この提案書は非常に見やすく、顧客にも刺さりやすい資料でした(事例)。これを他の顧客にも活用できるように、AGENDAを整理して、ブランクのFMTを作りました(ナレッジ)。しかし、そのようなFMTがあっても、どういうinputが必要か、inputをどう解釈して整理すればよいのか、そういった活用の手順、具体的なコツが必要になります(ノウハウ)。 よくある失敗は、事例とナレッジを混同して会話していることです。 事例だけでなく、そこから得た学び(ナレッジ)は何なのかが重要なのです。 事例を共有するだけで満足しているケースが多くみられますが、この点を意識することが、ナレッジを蓄積していく「ナレッジ」です。 では、このナレッジのコツ(ノウハウ)ですが、汎用化するということは、他のパターンにも当てはめられるようにするということです。 つまり、抽象化を行います。 実際の事例を眺めて、ようするにどういうことなのかを考えて、具体的にはどういうことかと考えてまた戻す。 この具体と抽象を繰り返しを行い、汎用的な学びを見つけていきます。 別の切り口としては、事例を無理やりでもいいから「○○の時は△△すべし」「〇〇は△△である」と言い切り系で書き出してみてください。 そうすると、ナレッジが抽出しやすくなります。