魅せて 伝える 資料作成講座 ~第2回 資料を作る前にやるべきこと~
業務の改善資料作成において、資料の内容やデザインはもちろん重要ですが、実は資料を作り始める前に行うべき準備も大切です。
しっかりとした準備をすることで、資料作成がスムーズに進み、より効果的なプレゼンテーションが可能になります。
今回の講座では、資料作成前に行うべき準備について解説していきます。
〈目次〉
資料を使うシーンを想像する
資料を使うシーンを明確にすることで、資料のテイストや言葉の表現を考えやすくなります。
〈資料を使うシーンを具体的に想像するための観点〉
資料を使うシーンをイメージできていないと、以下のようなリスクが発生します。
〈資料を使うシーンを想像できていない場合のリスク〉
このようなリスクが発生すると、相手に伝えたいことが伝わらず、プレゼンをしても想定する効果を生み出すことはできません。
このようなことが起きないように、資料を作る前に事前に確認することを怠らないようにしましょう。
伝えたい内容を構造化する
伝えたいことを資料にすべて書いてしまうと文字だらけになり、逆に伝わりにくくなってしまいます。
端的な文章を作成するためには以下の方法で文章を構造化してみましょう。
元の文章
当社の新しいビジネスポリシーは、従業員の働きやすさを第一に考えた職場環境の提供です。
このポリシーにより、社員の満足度が大幅に向上し、企業全体の生産性も飛躍的に向上しました。
具体的には、リモートワークの導入により、仕事と生活のバランスを取りやすくなり、
多くの社員が家庭と両立しながら業務を行うことができています。
従業員支援プログラムも充実させ、専門的なサポートやスキルアップの機会を提供しています。
STEP1:箇条書きに分解して重要事項を抽出する
- 新しいビジネスポリシーは従業員の働きやすさを第一に考えた職場環境の提供
- 社員満足度と企業全体の生産性も向上した
- リモートワークの導入により仕事と生活のバランスがとれるようになった
- 従業員支援プログラムの充実により専門的サポートとスキルアップの機会を提供できるようになった
STEP2:短い言葉へ言い換えてみる
- 新しいビジネスポリシー:社員の働きやすさを第一に考えた職場環境の提供
- 社員満足度向上・企業全体の生産性向上
- リモートワークの導入でワークライフバランスが充実
- 従業員支援プログラムを拡充し専門的サポートとスキルアップの仕組み化
Point 体言止めにすると文字数も省略でき、より簡潔に言い切ることができます
STEP2の例 | その他の例 | その他の例 |
「仕事と生活のバランスがとれるようになった 」 ↓ 「ワークライフバランスが充実 」 |
「新人育成の仕組みを作りました」 ↓ 「新人育成の仕組みを構築」 「新人育成を仕組み化」 |
「デジタル化施策は生産性向上へ繋がりました」 ↓ 「デジタル化施策は生産性向上へ寄与」 |
Point 「○○ 言い換え」などで検索して調べたり、AIを活用すると◎
STEP3:各要点を構造化する
【新ビジネスポリシ=社員の働きやすさを第一に考えた職場環境の提供 】
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取り組み①:リモートワーク導入
結果 :ワークライフバランスが充実
取り組み②:従業員支援プログラム拡充
結果 :専門的サポートとスキルアップの仕組み化
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↓
全体効果:社員満足度向上・企業全体の生産性向上
Point 構造化したときに、一番伝えたいメッセージは何なのかを明確にしましょう
【新ビジネスポリシ=社員の働きやすさを第一に考えた職場環境の提供 】 ← 一番言いたい
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取り組み①:リモートワーク導入
結果 :ワークライフバランスが充実
取り組み②:従業員支援プログラム拡充
結果 :専門的サポートとスキルアップの仕組み化
----------------------------------------------------------------------
↓
全体効果:社員満足度向上・企業全体の生産性向上 ← 一番言いたい
Point ここまでできたら、上長へ確認してもらうと◎ 資料を作りこむ前に確認することで、手戻りが防げます
STEP4:スライドに落とし込むときのレイアウトをイメージする
Point 1スライド1メッセージで伝えたいことを目立たせよう
各スライドで一番言いたいことをスライド上部に書くことで、このスライドでの内容がスッと入ってきます。
また、後の説明も理解しやすくなります。
Point 長くて2行までにする
Point メッセージはスライドの中で一番大きいフォントサイズにして目立たせる(18~20ptがおすすめ!)
準備ができたら魅せて伝えよう
以上が、資料作成前にやるべき重要な準備についての解説でした。
これらの準備をしっかりと行うことで、資料作成のプロセスが効率的に進み、より魅力的で伝わりやすい資料を作成することができます。
次回の講座では、「魅せて 伝える 資料作成講座~第3回 効果的なデザインの秘訣~」をお届けしますので、お楽しみに!
▶▶第1回 きれいな資料を作るべき理由 はこちら
資料を作る目的は、多くの場合、相手に理解してもらい、行動を促すことです。
しかし、情報が過多であったり、伝えたいポイントが散乱している資料だと相手の理解を得ることは難しいです。
ではどのようなことに気を付ければ伝わる資料が作れるようになるのでしょうか?
▶▶第3回 魅せるコツ はこちら
資料を魅力的で効果的に伝えるためには、視覚的な工夫が欠かせません。
特に情報を視覚的にわかりやすくするための図解や、テキストに強調をつけるテクニックは、プレゼンテーションの成功に大きく影響します。
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